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ミ サ を 生 き る(19)

【感 謝 の 典 礼】

(5)

■奉献文(エウカリスティアの祈り)

 奉献文(エウカリスティアの祈り)を構成するおもな要素は、次のように区別することができる。

 a )感謝

 b)応唱   ☜ 前回はここまで

 

 c)聖霊の働きを求める祈り(エピクレシス)— この特別な祈りによって、教会は聖霊の力を願い求め、人々の供えものが聖とされるよう、すなわち、キリストのからだと血になるよう、またこれを拝領することによって、汚れのないいけにえが、それにあずかる人々の救いになるよう祈るのです。

 

「まことに聖なる神、すべての聖性の源である父よ、

いま、聖霊を注ぎ、この供えものを聖なるものとしてください。

わたしたちのために、主イエス・キリストの御からだと御血になりますように。」

 

 最後の晩さんにおいてイエスがパンとぶどう酒を取って言われた、聖体制定のことばが唱えられる前に、司祭はまずパンとぶどう酒の上に手を差し伸べながら、聖霊の助けを呼び求めます。こうして、聖霊の働きによって、パンとぶどう酒がイエス・キリストのからだと血に変えられることを祈り求めるのです。

この聖霊の助けを願う祈り(エピクレシス)は、パンとぶどう酒におけるイエス・キリストの現存を可能にするのは、聖霊の働きによることであるという教会の信仰に基づいているのです。

 

聖霊の働きが、私たちのささげものであるパンとぶどう酒をイエス・キリストのからだと血にするということは何を意味しているのでしょうか。

この物質世界のあらゆるものが持つ意味を根源的に変える力、聖霊はそのような神の力です。どのように変えるか。イエス・キリストご自身に変える。つまり、イエス・キリストが父なる神に対して持っているイエス・キリストありように変えていくのです。すなわち、すべてのものがイエス・キリストがそうであるように、父なる神に向かい合うものとされていくのです。

私たちのささげものが、私たち自身の献身が、聖霊によってイエス・キリストご自身のありように変えられていく、聖霊とはそのようことを可能にする、私たち自身の中に働く、神の力なのです。

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