大人の教会学校 2020年2月 

教皇フランシスコ(2)

参考資料:「教皇フランシスコ『いのちの言葉』 森 一弘著 扶桑社 18頁~21頁」より

  「わたしは神を信じていますが、それはカトリックの神ではありません。

なぜなら、カトリックの神などいないからです。わたしが信じる神はイエス・キリスト、つまり、人間の姿を借りて、この世に現れた神です。」(2013年、イエズス会発行の季刊誌インタビューで)

 

 教皇とは、世界中に約13億人の信者を有するカトリック教会の最高責任者のことで、その総本山・バチカン市国の元首です

 2013年に就任したフランシスコは第266代教皇で、前任者はベネデイィクト16世、その前の教皇はヨハネ・パウロ2世で、この方は1981年に来日しています。(ですから2019年11月23日からの、教皇フランシスコの来日は、実に38年ぶりのこととなるわけです。)

 カトリック教会の最高責任者が、新教皇に着任して間もなくのインタビューで、『自分が信じているのはカトリックの神ではない』と明言したのですから、これには驚く人が多かったでしょう。聞き違いではないと、自分の耳を疑った人がいたかもしれません。

 でも、この言葉は、けっして教会を否定するものでも、カトリックそのものを否定するものでもありません。カトリック教会の最高責任者である自らの根っこは、いつもカトリック信仰の源流であるイエス・キリストにあるということを、あらためてはっきりと示したのです。

 ともすれば、伝統的なものはどのようなものでも、時代の流れに翻弄され本流を見失ってしまうことがありますが、いついかなるときでも大切な源泉、つまり、原点であるキリストに立ち戻り、キリストから光を仰ぎ、教会を刷新し続けていこうと呼びかけたのです。

 常に源泉に立ち還ることを忘れず、刷新を怠らずにしていこうとする教皇のこの姿勢。実は、この姿勢こそ、2000年間にわたって、カトリック教会が絶えず繰り返してきたことでした。

​☆ ☆ ☆

 わたしは、この教皇がけっしてこれまでの流れに逆らっているのではなく、むしろこれまでの流れの上に立って、時代に挑戦していこうとしている、極めて誠実で純粋な心の持ち主であると理解しています。

 冒頭の言葉、『わたしは神を信じていますが、それはカトリックの神ではない』の意図するところは、こそ、もっとも大切なところに立ち還ろうという、教皇の真摯な呼びかけです。さらにこの言葉には、そうしなければ、カトリック教会は人々に向き合い、寄り添い、希望の光を示していくという本質的な姿から逸れていってしまうのではないかという、教皇なりの切羽詰まった思いもあるように感じられます。